3月の岡山県民の消費意向得点は44.5ポイントと前月から微増。50代以上、女性会社員、パート層の回復と、専業主婦の意欲減退が交錯。

 春需に向けて3月の消費意向得点は上向きを示し、前月度より1.3ポイント増加の44.5ポイントを示しています。ただ、例年の盛り上がりに比べ力強さはみられず、例年との差が再び拡大しています。

 これを属性別の動きで見ると、年代別では他の年代層に大きく差をつけられていた50代以上の層が大きく伸びており、性別では女性が回復し再び男性との差が広がっています。職業別では前月落ち込んだ女性会社員やパート・アルバイト職の回復が見られます。しかしその一方で、この3か月ほど連続して消費意向得点を下げている専業主婦層がさらに落ち込んでおり、他層と大きく乖離していることに注目できます。

 暮らしシーン別注力度を見ると、前月比、前年比共にアップしているのが「大きな値の張る耐久財」です。また、前月ほど注力度はないものの前年に比べアップしているのが「貯蓄」と「子供の教育」。そして、前年割れであるものの、季節柄前月よりも大きく注力しようとしているのが「観光・行楽」「趣味・文化活動」「スポーツ・娯楽」の余暇レジャー活動です。他に「人づきあい」や「食費・外食」といった分野での季節需要も目立っています。

 耐久財購入が上向き、レジャー活動や人づきあい、食費・外食への注力が増していることは、一見個人消費景気が上向いているように思えます。生活者意識からみた景気回復感はどう読み取れるでしょうか。

 今回の景気回復実感者は543名中25名(4.6%)と、人数も実感者比率も昨年12月末および前年同時期とほぼ同じ水準を示しています。今後このまま上昇を続けるのかそれとも前年のように失速するのか動向が気になるところです。これをリテンションの動きによって確認してみると、2か月連続で回復実感を抱いているリテンション者数は12名、比率2.2%を示し、リテンション率は昨年12月以来落ち続けています。

 景気回復実感者数や比率が前月比増・前年比増である一方で、リテンション率が前月比減・前年比減であることから、景気回復は黄信号のままであるといってよいでしょう。

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「岡山生活者意識調査」3月の消費意向得点
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