消費意向得点は46.0ポイントと、前月から1.0ポイントの上昇しか見られませんでした。例年8月度は夏需後半戦であり、50ポイント水準まで高まりますが、今期は一昨年と同じ鈍い動きとなっており、3か月連続で最低値を示しています。
こうした中にあって、今月は男女差が再び拡大をみせ、男性の消費意向は低迷を続けています。また、年代別では20代や30代の若い層が大きく消費意向を高めているのとは対照的に50代以上層が再び低迷を始めました。職業別では「パート・アルバイト」の伸びが著しい反面、いつも先導役となっている「女性会社員」が伸び悩んでおり、このことが全体に影響しているようです。
暮らしシーン別注力度をみると、前月に比べ増加しているのは引き続き「観光・行楽」4.2p増、「食費・外食」も2.2p増で、夏場レジャーの季節要因の強みが見られます。加えて今月は「地域活動」「家族との生活」の注力度も高まっており、各々2.3p、1.5pの増加となっています。
一方、ここ半年程連続して前年同月を上回り、趨勢的に増加しているのは「健康管理」と「子供の教育」です。これらは共に70p以上の高水準で右肩上がりに推移しており、ヘルスケア意識と教育熱心さは岡山県民の安定したニーズといえるでしょう。反対に趨勢的に注力度がここ半年程落ちてきているのは「食費・外食」「人づきあい」「大きな値の張る耐久財」および『レジャー総合』です。これらはいずれも可処分所得に対して弾力性が高い支出項目であり、実質所得の低下、将来不安の影響などがうかがえます。
個人消費は、好転しないという先行き不透明感のためから節約志向を強めることが推測され、景気はますます好転しない可能性があります。それでは実際の生活者の景気回復の実感はどうなっているでしょうか。今回の景気回復実感者は485名中14名(2.9%)と、その割合は下がり、実感者数はこれまでの最低人数を記録しています。景気回復を実感している人が減った事実に対し、この傾向はさらに続くのでしょうか。このことを2か月連続で回復実感を抱いている人(リテンション)の動きによって確認しておきます。今回のリテンション者数は10名で、前月、前々月と同数となっています。リテンション率は2%水準を保っており、大きく変化するとは考えられませんが、かといって今後大きく好転する景況材料も見当たらないため、一進一退を続けると考えられます。