5月の岡山県民の消費意向得点は46.3ポイントと足踏み状態が4か月続く。高年層に警戒感。

 消費意向得点は46.3ポイントと前月とほぼ同水準を示し、前年度の消費意向水準を1ポイント下回っての年度スタートとなりました。先日発表された15年度GDP発表でもこの20年の中で2年連続個人消費がマイナスになるのは初めてで、「消費不振で景気回復には陰り」がみられるとする見解が多く示されています。本県においても消費者の消費意欲には力強さがなく、節約志向は根強く残っていると考えられます。

 年齢別をみると、20代と30代は前年をクリアして伸びている一方、40代、50代と高齢になるにつれ消費意欲は大きく落ち込み前年度水準をここ数か月割り続けています。高年層でかなり消費意欲は冷えていることがうかがえます。

 暮らしシーン別注力度をみると、前月に比べ増加をみせているのは「観光・行楽」が+3.0ポイント、「地域活動」が+2.3ポイントをあげることができます。これは調査時期が大型連休の真っ只中、熊本地震後の調査という時期的な特殊性が要因と考えられます。ほかに「スポーツ・娯楽」が前月より3.0ポイントアップ、「趣味・文化」は前年に比べ1.4ポイント高いなど、レジャー関連での注力度が高くなっています。

 対して大きく減退しているのは「大きな値の張る耐久消費財」が前月比-3.6ポイント、前年比-1.8ポイントがあげられ、これは岡山県のマクロ個人消費経済指標での乗用車登録、家電売上の低迷と一致しています。

 こうした中にあって、70ポイント以上を維持ししかも大きな落ち込みも無く、安定して注力し続けている分野は「健康管理(76.0p)」「家族との生活(73.5p)」「子供の教育(73.0p)」の3分野があげられます。

 今月も景気回復での好材料はみられないようですが、実際の景気回復の実感度はどうなっているでしょうか。4月末時点での景気回復実感者数は556名中18名(3.2%)と前月度とほぼ変わりなく、実感している人は僅少であり、本格的回復はさらに先送りされることが予想されます。このことを2か月連続で回復実感を抱いている人(リテンション)の動きによって確認しておきます。リテンションの考え方は変動に対する短期的な安定性をみるのに適しているためです。今回のリテンション者は9名と前月からさらに1名減少し、1年半ぶりに10名を割る結果となっています。最近の岡山全体の経済の先行き低下感が強まっている現状から考えても、リテンション率が1%台で低迷している限り、皆が回復を実感するまでにはかなりの期間を要すると考えてよいでしょう。

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「岡山生活者意識調査」5月の消費意向得点
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