消費意向得点は46.2ポイントと前月から低下し、また、3か月連続して前年度の消費意向水準を下回りました。かろうじて過去最低を記録せずにすみましたが、4月度(調査時期は3月末)はこれまでに低水準の年が2度あります。先の2013年度末は消費税率8%実施前夜、もうひとつの2010年度末(2011年3月)は東日本大震災でした。消費意欲は税制のみならず、天災によって一気に消沈します。今回は熊本地震前の調査であるにも関わらず、ほぼ全層において前月及び前年水準をクリアしていません。低い消費意向水準で推移しており、今回の大地震が今後さらに何等かの影響をもたらすものと思われます。
暮らしシーン別注力度をみると、前月に比べ増加をみせているのは「観光・行楽」(+3.0p)、「人づきあい」(+1.3p)で、他は前月並みが多くなっています。前年比をみると、着実に暮らしの中で注力を強めているのが「子供の教育」と「家族との生活」です。
これまで比較的順調であった「食費・外食」への注力度は、今回は前年水準に至らず、前月度並みを示しています。また、前月は一旦緩んだかにみえた「貯蓄」も今月は再び前年水準を超えており、貯蓄節約志向を強めています。このことは「大きな値の張る耐久消費財」への購入意欲とも関係しており、昨年末に前年をクリアして購入意欲に一旦高まりをみせたものの、今年に入り再び低迷していることからも分かります。
今月はかなり景気回復から遠ざかっている感がしますが、景気回復の実感度はどうなっているでしょうか。3月末時点での景気回復実感者は551名中18名(3.3%)と大きく減少しており、景気回復どころではなくなってきています。このことを2か月連続で回復実感を抱いている人(リテンション)の動きによって確認しておきます。リテンションの考え方は変動に対する短期的な安定性をみるのに適しているからです。今回のリテンション者は10名と前月からさらに2名減少、その割合も2.3%から1.8%へと後退しています。1%台のリテンション水準からの回復はかなり期間を要することをさしており、まだまだ岡山の景気回復は先に持ち越されそうです。