年末に向けて消費意向は9月10月を踊り場として11月は上向く傾向にありますが、今回は昨年と同様にさらに停滞感を強めています。消費意向得点は45.2ポイントと前年を1.0ポイント下回り、11月度としては最低値を示しました。
前月において消費マインドダウンが顕著であった男性、年代的には50代以上の層、職業的には経営・自営・自由業といったマネジメント層で反発が見られるものの、消費のリード役である「女性」での意欲減退が目立っており、特に女性会社員で顕著になっています。
また、暮らしシーン別注力度からみると、前年に比べ注力指数の増加が顕著なのは「貯蓄(62.7p→66.1p)」、「健康管理(75.0p→77.1p)」で、逆に前年のみならず前月からも大きく後退しているのは「地域活動(前年差-3.0p、前月差-4.0p)」および「人づきあい(同-1.8p、同-2.3p)」となっています。消費意向が高い時にみせる他人とのコミュニケーション活動も、消費意欲減退となると、我がことの「健康」や「貯蓄」に意識が向かう傾向がみられます。「レジャー総合」についてはここ2か月間、前年と比べて48.0p→48.4pとやや持ち直してきており、特に「スポーツ・娯楽」は42.4p→43.8pと秋需が確かなものであることを裏付けています。
いずれにしても停滞感がみられる昨今の動きですが、当月での景気回復は実際どの程度の回復感がもたれているのでしょうか。10月末時点で景気回復を実感している人は509名中27名(5.3%)で、前月度の22人4.3%からは割合が増えています。実感者は男性、年代的には50代以上が多く、30代層が極端に少なくなっていることがここ数か月の特徴といえます。
景気回復実感者の割合が当月5%台を回復したことで、それが景気回復の手がかりと見るかどうかはまだ予断を許しません。2か月連続で回復実感を抱いている人(リテンション)の動きをみると、今回のリテンション者は12名と前月からさらに2名減少しています。しかもその割合(リテンション率)は2.4%と昨年末から年初の水準に戻り、夏からの景気回復安定度はますます弱くなってきています。