10月の岡山県民の消費意向得点は45.8ポイントと例年の盛り上がりは見られず。女性会社員・パートの「働く女性」たちが下支え。

 例年10月に向けて消費意向は上向く傾向にありますが、今年は政局の揺れも手伝って、経済先行き不安感が県民の意識にも表れたようです。消費意向得点は45.8ポイントと前年と比べ2.1ポイント下回っています。この消費マインドの低下は、特に男性、年代的には20代と50代以上で強くみられます。しかし消費のリード役である「女性」における落ち込みは緩やかで、30代女性や女性会社員、パートタイムでは前年差、前月差共に大きな変動はありません。

 一方暮らしシーン別注力度は、前年に比べ注力指数が激減しているのは「家族との生活(72.1p→69.9p)」のみで、他の分野での注力度はいずれも微増してきています。前年差、前月差共に注力度が増している分野は、「子供の教育(前年差+3.8p、前月差+3.3p)」、「レジャー総合(同+0.1p、+2.3p)」中でも「スポーツ・娯楽(同+1.4p、+3.0p)」が著しく、「食費・外食(同+2.3p、+1.6p)」と共に、いわゆる≪秋需は堅調≫とみてよいようです。特にレジャー総合の復調は2年半ぶりのことです。また「大きな値の張る耐久財(同+0.0p、同+0.4p)」並びに「貯蓄(同+0.3p、+0.1p)」が共に増加をみせ始めているため、年末に向けての個人消費の高まりが期待されます。

 貯蓄志向優先の消費意欲の動きですが、景気回復についてはどの程度の回復感が持たれているのでしょうか。回復を「実感している」と回答した人は514名中22名(4.3%)で前月度の5.3%から大幅に減少しています。実感者の年代的な特徴は前月同様50代以上がさらに多くなり、40代を加えると実感者の80%を占めるに至っています。全体の年代構成からみても、景気回復実感者は40代50代に特化しており、30代で実感者が極端に少なくなっていることはここ数か月の特徴といえます。また、実感者の消費意向得点は53.4ポイントで、前月度の58.5ポイントから大きく低下しました。暮らしについては「スポーツ・娯楽」「地域活動」「人づきあい」の分野では、景気回復実感をもてない人よりも高い注力意向を示しています。

 景気回復実感者の割合が当月4%台に落ち込んだことで、それが景気後退(リセッション)の兆しと見るかどうかは予断を許さないところです。2か月連続で回復実感を抱いている人(リテンション)の動きをみると、今回のリテンション者は14名と前月の反動もあってリテンション率は2.7%と春先の水準に戻りました。本当に景気後退局面に入っているかどうかはこのリテンション率がこのまま下がり続けるかどうかにかかっています。今後の動きが注目されるところです。

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「岡山生活者意識調査」10月の消費意向得点
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