次月の消費意向得点は先10月度に引き続き前月差0.8ポイント増加、一見順調な回復軌道にみえますが、依然として前年から2.3ポイント低い水準でまだ開きがあります。毎年12月期には消費意向は高まる傾向にあるため、どこまで前年水準に近づくかが期待されます。
性別では既に2か月続けて男女差はなくなり、共に1ポイント上昇、前年同月差も2ポイント下回って推移しています。年代別では先月は20代若者が大きく意向を高めましたが、当月はその反動で5.1ポイントも減退し、その分40代男女の意向アップでカバーされています。
9月に東京オリンピック・パラリンピック開催が決まり、景気回復への期待は大いに高まったものの、10月に入り消費税増税正式発表、消費先行き見通しはまだまだ予断を許さないことが、今回の県民意識調査からも読み取れます。暮らしシーンの注力度の観点からみると、通常消費回復に向かうパターンとしては、「貯蓄」意向が弱まり、「大きな値が張る耐久消費財」および「食費・外食」への消費注力が増えます。確かに当月はいわゆる値嵩(がさ)大型消費への意向が前月に比べ2.3ポイント増えていますが、「貯蓄」も2.9ポイント増と防衛色を強めています。この生活防衛色が強いのは30代40代で特に女性において4?5ポイントアップが顕著です。一方値嵩大型消費注力が強いのは20代男女で貯蓄は1ポイント程度の増加に対し大型消費は5?8ポイント近くも前月度から増えています。
今月も消費の景況感(実感として感じているか)をたずねてみました。先月の実感者はモニター610名中30名で4.9%(前々月4.8%)でしたが、今月は508名中23名で4.5%と大きな変化はみられません。
やはり全般に個人消費による景気回復実感はまだ弱いようですが、23名モニター個人での生活インサイトの特徴でみると、実感者比率は変わらずともその約半数は先月に引き続いて実感しており、もう半数は脱落・参入で入れ替わっています。年代的には50代以上が減り、代わって30代が増加しています。
また、男性のほうが回復感をもっており、暮らしシーン別注力度では、全体と比べて「人づきあい」と「余暇・レジャー」「食費・外食」に生活力点を置く傾向が高く、逆に「貯蓄」への志向は弱く、「大きな値の張る耐久消費財」への購入志向が強いのは先月と同様の傾向です。