次月の消費意向得点は前9月度から反転して前月差1.8ポイント増加、前年同月差は2.7ポイント減少の49.6ポイントと、再び浮上の兆しをみせています。最近2年の10月意向値は低下傾向にあるのとは異なる動きです。
性別では前月まで顕著であった女性上位の消費意向傾向は当月にはみられず、ほとんど男女差はありません。それだけ男性の消費意向がアップ(前月差2.9ポイント上昇)していることを示しています。年代別では20代の若者が前月より6.4ポイント増、前年同月と比べても0.8ポイントアップしているのが特徴で、20代においては男女ともに大きく伸びており、若者のパワーが全体を浮上させている主因となっています。
暮らしシーン別10項目の注力度を見ると、前9月度には「健康管理」「学び・教養」の強い増進意向がみられましたが、秋本番を迎えた当10月度は全般に平準化の動きとなっており、いずれも前年同月よりも弱含み横ばいの状態で推移しています。ところで前9月度に対して比較的減少幅の大きい分野は「貯蓄」と「大きな値の張る耐久消費財」で、共に2ポイントほど減退しています。一見矛盾する両者の動きは、「消費者の財布の紐はゆるみかけてはいるが、それがいわゆる値嵩(がさ)大型消費に向かっているのではなく、日々の小さな暮らし向きへの増進に向いている」点に注意が必要です。それは、他のほとんどの分野が前月差±1.5ポイントで増減していることからも分かります。
また前月に続き、消費の景況感(実感として感じているか)をたずねてみました。先月の実感者はモニター526名中25名(4.8%)でしたが、今月は610名中30名(4.9%)と大きな変化はみられません。